Cardano(ADA)

Cardano(ADA)について徹底的に調べてみた その1 ホワイトペーパーを読み解く

Cardano(ADA)の野望~Cardano(ADA)はブロックチェーン3.0時代の真打となり得るのか~

Cardano(ADA)が一体どんな仮想通貨なのか、あなたは知っていますか?

詐欺コイン? ゲームコイン? 有名大学と提携? 量子コンピュータ耐性がある? ウロボロス? ステーキングで増やせる?

 

Cardano(ADA)という仮想通貨について、大半の人の知識は、大体こんなところではないでしょうか。

未だに怪しい風説が残るADAコインですが、2017年10月にBittrexに上場してからは、詐欺だという言説はさすがに鳴りを潜めてきました。ちなみに2017年12月現在はBinanceでも買えます。

日本の取引所ではまだ買えませんが、Cardanoは日本でのマーケットに非常に力を入れています。ADA専用ATMの日本上陸が2018年に予定されていますし、そのうち日本でも普通に買えるようになることが期待されます。

とにかく、Cardano(ADA)は2017年12月時点で仮想通貨の時価総額トップ10に入る人気通貨の一角の地位を占めており、2018年はさらなる飛躍が期待されている状況です。

しかしここで一つ尋ねましょう。
Cardano(ADA)とは一体どんな仮想通貨なのか、そして何を狙っているのか。あなたは本当のところを知っていますか?

 

未だにGoogleで検索をかけると、昔の詐欺? と言われていた頃の情報や、アフィ狙いの書き捨て記事が1ページ目でHitしてきます。そしてまともな記事がほとんどまったく見つからない。

まず、プレセール時における日本でのプロモーションが下手だったせいで、変な印象を付けてしまったという側面はあると思います。某泉先生とか、一部の人の絶対儲かる! という触れ込みなど、利益の甘い汁を嗅ぎ取った人たちがやけに群がっていました。そのときの胡散臭い記録がいつまでも残って、かえって今の実像が見えにくくなってしまっています。

また最近の肯定的な記事であっても、その辺りの知識のない人だと、またかなりの根気がないと、アフィ狙いの書き捨て記事しか作れないのが現状です。結局読んでもまともなことは何一つわからない。それだけ難しい通貨なんです。

それではと思って、正しい一次情報を得るために、公式ホームページ(以下のリンク)

Home of the Ada cryptocurrency and technological platform. – Cardano

 

に行ってみるのですが、今度は色々ちゃんと書いてあるのですが、内容が難し過ぎる!(笑)

ホワイトペーパーも専門用語の羅列で初見だとかなり意味不明であり、素人が読んでもかえって煙に巻かれたような印象しか受けないんじゃないかと思います。何となくスゴそうとしか思えないし、逆に怪しいとか思っちゃうんじゃないでしょうか。

この現状はさすがにちょっとまずいと思いました。
将来性が期待される今こそ、Cardano(ADA)の正しい姿を少しでも知ることのできる記事が必要ではないでしょうか?

 

そこで私なりに一助となればと、思い切って全力で筆を取ることにしました。

需要がどれだけあるかわかりませんが、私なりにわかる範囲で徹底的に調査していきます。

そして調べた内容について、これから数回に渡って集中連載していこうと思っています。これまでCardano(ADA)を徹底的に集中連載した日本語の記事はないと思うので、おそらく現状では一番詳しい記事になるんじゃないかと思われます。

まあ別に私もブロックチェーン技術などの専門知識があるわけではありません。ですが、一応は大学まで理系でしたし、これでも数学畑の人間でしたので、多少なり彼らの出している論文の雰囲気を掴むところまでは何とかいけました。ですから、従来の記事よりかはかなり踏み込んで解説はできるかなと思っています。

それから一応ですが、書き始める前に私の立場を明確にしておきます。

私は確かにADAに数十万とそれなりの額を投資していますが、私がこの記事を書くのは、ADAは買いだと言いたいからではありません。

Cardano(ADA)は何を目的としているのか、一体何がすごいのか、何が他と比べて新しいのか、そういったことをできるだけ詳しくわかりやすく、強みも弱みも怪しい点も含めて、Cardano(ADA)の正しい姿を知ってもらうことが一番の目的です。

 

できればなるべく正しい知識をもって投資判断をしてもらいたいと願います。これから書く記事が、あなたの投資判断の一助となれば幸いです。

Cardano(ADA)ホワイトペーパーを読み解く~Cardanoの馬鹿馬鹿しいほどに素晴らしく壮大な野望~

Cardano(ADA)に関するまともなブログ記事がない以上、結局ちゃんとCardano(ADA)のことを知りたいなら、頑張って公式ホームページの情報を読み解くしかないのだと思います。

ただし、そのまま読むと大半の人にはマジで意味不明なので、私なりにわかったところを別の言葉でまとめたり、息をするかのように使われている専門用語の解説などを随時行っていきます。時にはかなりの情報量になるので、別のまとめ記事に飛ばすこともあるかと思いますが、ご了承下さい。

元の内容が相当難しいので、解説したところで決して簡単ではないですが、なるべく本当のことを知りたい読者の方には、ぜひ頑張って付いて来てもらいたいと思います。苦労したなりのことはタメになるはずです。

皮肉も込めて言うと、Cardano(ADA)は、仮想通貨の教材として非常に優れています(笑)

なぜなら、初見だと何書いてあるのかさっぱりわからないのでw、一つ一つのことを調べて読み解いていくだけでとっても勉強になるからです(笑)

ホワイトペーパーは物凄く長く難しい言葉もいっぱいなのですが、これまでの仮想通貨の歴史や問題点を踏まえて改善を提案していくスタイルの、とても示唆に富む内容になっています。

仮想通貨というものを知る上でも色々と大切なことが書いてありますので、腰を据えてじっくり読み解いていきましょう。

そして、読み進むうち、内容を理解するにつれて、彼らの馬鹿馬鹿しいほどに素晴らしく壮大な野望が次第に見えてくると思います。それほんとにできるのかよ、ということを彼らは失敗を恐れずに本気でやろうとしています。

私の印象ですが、決して詐欺コインではありません。単なるゲームコインなどでは決してありません。

もしCardano(ADA)の野望が実現した日には、現在のBTC、ETHが占めている位置をADAが取って成り代わり、それだけではなく、実社会での本格的な応用を実現て、さらに力強く踏み越えていく。

Cardano(ADA)が、仮想通貨界のトップに立つというシナリオが現実に起こり得ます。

……もちろん本当に実現すれば、ですが。
大事なことなのでもう一度言いましょう。
ADAコインは、詐欺コインでも、単なるゲームコインでもありません。

それは詐欺と言われても仕方ないほどに壮大なる野望を描く、財学連携の巨大プロジェクトです。

 

彼らは、仮想通貨が実社会で広く使われる「法定通貨と同等の通貨」としての完全な地位を確立することを目的に、長い時間をかけ、学問的理論的見地から用意周到に準備開発を進めています。過去1000種類以上に及ぶ仮想通貨から教訓を学び、そこに改良を施すことで、仮想通貨およびそのプラットフォームの決定版を創り上げようとしています。

ここまでどでかいことを本気で言ってのけるプロジェクトは、しかもそのために本気で多額の資金をかけて取り組んで、現在も忙しなく動いているのが絶えず周知されているプロジェクト(毎週公式ページで活動内容がアップデートされています)は、他に私は知りません。

Cardanoのロードマップをよく読むと、例えば以下の内容が含まれています。

  • ダイダロスウォレットを非中央集権取引所とすること
  • オリジナルトークンプラットフォームの構築
  • 公平かつ安全なPOSの実現
  • 量子コンピュータ耐性

これらは、一つ一つは別にまったく新しい概念ではありません。他の仮想通貨でもやってきたことだし、やろうとしてきたことです。

しかし、他の通貨が打ち出してきた良い所を積極的に吸収して、なおかつ独自の改良を施して決定版を打ち出そうとしている点に、Cardano(ADA)の真の狙いがあります。

今までの仮想通貨ができたほとんどあらゆる良いことを、たった一つのプラットフォームで実現可能にしようとしています。

果たして、彼らのそんな馬鹿馬鹿しいほどに壮大な野望は、どこまで実現するのでしょうか?
Cardanoは、そしてADAは、ブロックチェーン3.0時代の真打となり得るのでしょうか?

 

結果は後になってみないとわかりませんが、まずは彼らの野望を正しく知って、その野望に向かって共に賭けるか否かをぜひあなた自身が判断できるようになって欲しいと思います。

では、ホワイトペーパーの冒頭から、順に引用しつつ見ていきましょう。原文のリンクは以下になります。

なぜカルダノを構築するのか(ホワイトペーパー)

 

Cardano(ADA)の野望~彼らは果たして何を成すつもりなのか、その概要~

カルダノは2015年に仮想通貨の設計および開発のあり方を変えるために発足されたプロジェクトです。特定のイノベーションを超えた全体的な焦点は、ユーザーのニーズに応えられ、他のシステムとの統合を図れる、より調和のとれた、持続可能なエコシステムを提供することです。

カルダノは多くのオープンソースプロジェクトのように、包括的なロードマップ、また権威のあるホワイトペーパーの策定を行いませんでした。むしろ設計原則、工学的なベストプラクティス、また探求のための方法論を収集し、採用したのです。それには以下のものが挙げられます:

はい。冒頭からいきなり圧倒されるクオリティですよね(笑)

設計原則、工学的な云々大層なことを言ってますが、つまりは財学連携で進めていきますよ、ということです。

そして挙げられる「以下のもの」ですが……。

•台帳システムと計算処理を別々の階層に分離する
•コアとなるコンポーネントをモジュール性の高い関数によって実装する
•査読が行われる研究と競合する学者や開発小規模グループを作る
•InfoSecの専門家を早期に採用するなど学際的なチームを多用する
•ホワイトペーパー、実装、そしてレビュー中に発見された問題を修正するための研究を迅速に行う
•ネットワークを破壊することなく、導入後のシステムをアップグレードする機能を構築する
•今後の研究となる分散型資金調達の仕組みを開発する
•モバイルデバイス上で安全に動作するための長期的な仮想通貨の設計の改善を行う
•仮想通貨を運用および維持するために、ステークホルダー同士の関係を密接にする
•同じ台帳システムで複数の資産を運用する必要性を認識する
•従来のシステムのニーズに応えるために、オプションとしてメタデータを含むことができるようにトランザクションの抽象化を行う
•約 1,000 のアルトコイン から理にかなっている機能を学習し、採用する
•最終的なプロトコル設計を決定するためにインターネット技術タスクフォース(IETF)に触発された規格駆動のプロセスを採用する
•商業の社会的側面を探求する
•ビットコインから継承した基本原則を損なうことなく、規制機関が商取引と対話するための健全な妥協点を見つける

わ、わからん……。さっぱりわからん!www

 

ここでホワイトペーパー読者の9割がノックアウトされるのではないでしょうか?(笑)

彼らの根本が技術者集団であり、平たく言えば変態であることが早くも証明されましたw

何ですかね。こんな圧倒的主張をいきなりぶつけて、彼らは本当に人々に理解されたがっているんですかね? 私にはよくわかりません。

色々と書き並べてありますが、大胆に整理していきましょう。

「私たちは学閥と協力してやっています!」的なアピールを省くと、主に彼らの狙いは4つになります。

1.計算処理をバックグラウンドに隠して、台帳のみがユーザーに見えるような、ユーザーフレンドリーな仕組みを実装すること

•台帳システムと計算処理を別々の階層に分離する

一番最初にこれが書かれている辺り、カルダノは台帳システムと計算処理を分離することによほど苦心しています。

なぜそうすることが重要なのでしょうか?

前提として、ビットコインを始め、知る限りすべての仮想通貨では、計算処理と台帳システムが混然一体化されてしまっています。

送金の度にトランザクションIDが発行され、このIDを拠り所にして、承認作業を複雑な計算処理によって行うわけですからね。しかもその承認過程は公開されていて、誰でも見ることができてしまいます。

これは例えばPCで言うと、何かプログラムを実行するために一々裏側のコマンドプロンプトを引っ張り出してこないといけず、しかも実行されるコマンドの一部が万人に全部見えているような気持ち悪い状態です。

それっていいことでしょうか? 本当に使いやすいでしょうか?

だいぶ下の方になりますが、Cardano(ADA)の主張を見て見ましょう。(注目ポイントを赤字で示します)

階層の設計 – CARDANO SETTLEMENT LAYER

偉大なプロトコルと言語を設計するときには、未来ではなく、過去に目を向けるべきです。歴史を振り返ると開放型システム間相互接続のような、理論的には完璧であるが、なんらかの理由で実現されなかった素晴らしいアイデアを数多く見出せます。また、Javascriptや、TCP/IPなどから生まれた幸運の産物もあります。

歴史から学んだ原則としては次のものが挙げられます:

  1. 柔軟性から生まれた成果物から将来を予測することはできない
  2. 複雑であるということは理論上素晴らしいが、実際にはシンプルである方が良い
  3. 船頭多くして船山に登る
  4. 標準規格が決定されると、それが最適であるかどうかに関わらず従ってしまう
  5. 悪い考えであっても、意思が明確にあれば非常に良いものに進化することがある

(中略)

ブロックチェーンとは究極的には事実とイベント、そしてタイムスタンプを不変性と信頼性を持って記録し、それらに対して問い合わせを行うデータベースなのです。よってお金という観点から見れば、ユーザーが資産の所有権をブロックチェーン上で注文することと、これにプログラムの保存と実行によって複雑な計算処理を加えることとは、全く異なるコンセプトとなってきます。我々はアリスからボブへいくら送られたのか知りたいのか、それとも、その取引の背景を把握し、どれくらい送るべきなのかという決定に関与したいのでしょうか。

後者を選択することはイーサリアムが行なったように柔軟性があり、とても魅力的ですが、上記の設計原則を破ることになります。ストーリーを把握するということは、単一のプロトコルが任意のイベントおよびトランザクションを理解し、詐欺が行われた場合には仲裁を許可し、場合によってはトランザクションを取り消すことを意味します。

しかし設計者は各トランザクションに格納されるメタデータの設計において難しい決断を下す必要があります。アリスとボブの取引の背後にある物語のどのような要素が関連しているのか、それらは永遠に関連しているのか、いつデータを消去することができるのか、消去することが違法となることはないのかなどを考慮する必要があります。

加えて、いくつかの計算処理は、内密に行われるものです。たとえば、ある職場の平均給与を計算する場合、企業は各人の年収を公開しません。もしすべての処理が公にされるとしたらどうなるのでしょうか。また、この公共性によって 悪い結果へと導かれたら、どうなるでしょうか?

したがって我々は、会計処理とそれが行われる背景とを分離すべきであると判断しました。

難しい専門用語の合間に隠れて紛れてしまっていますが、ここにはとても重要なことが書いてあります。

イーサリアムの設計思想における問題点(もちろんイーサリアム以前のビットコインなども同様)と、その改善方法を提案している!

 

のです。

途中でアリスとボブの例えが出て来ますが(海外ではどうやら一般的らしく、色んなホワイトペーパーでこの例えを見ます)、要点はここです。

我々はアリスからボブへいくら送られたのか知りたいのか(台帳が見たいのか)、それとも、その取引の背景を把握し、どれくらい送るべきなのかという決定に関与したい(計算処理が見たいのか)のでしょうか。

「普通は台帳だけ見たいのであって、計算処理まで見えても別に嬉しくないし、見える必要もないし、むしろ見えることで悪用されちゃったりするとまずいよね」と主張しているわけです。で、そのまずいのを平気でやってるのがビットコインだったりイーサリアムなんだよ、と言っているのです。

私たちがインターネットをしたいときは、ただアイコンをクリックしてホームページを見られたら良いのであって、その裏でどんなプログラムが動いているかなんて興味ありませんよね。変に見えてしまっても困ります。それと同じことです。

だから別階層にしようと。複雑な計算処理そのものはすべてバックグラウンドで済ませてしまって、ユーザーの目にはごく普通の台帳として映るようにしよう。そっちの方が安全だしユーザーフレンドリーでしょう、ということが彼らの第一の主張であり設計構想になります。

昔のコマンド主体のOSに対するWindowsみたいなことをしたいってことですね。

2.安全性が高く、拡張が容易に可能で、なおかつユーザーが持続的に使いたいと思えるようなプラットフォームにすること

•コアとなるコンポーネントをモジュール性の高い関数によって実装する
•ネットワークを破壊することなく、導入後のシステムをアップグレードする機能を構築する
•モバイルデバイス上で安全に動作するための長期的な仮想通貨の設計の改善を行う
•仮想通貨を運用および維持するために、ステークホルダー同士の関係を密接にする

この辺りがおそらくは該当すると思います。これはまあそうだよねって感じの主張なので、これ自体に特に言うことはないんですが、ただこれを実現するのは言うは易し行うは難しの典型例ですよね。

実際、Cardano(ADA)は従来の仮想通貨がいかに至っていないかを説明し、具体的な改善点を提案しています。

ここの中身が滅茶苦茶難しいので、次回以降個別に取り上げて解説していこうと考えています。その過程で、学術論文の中身にも多少触れていこうと考えています。

いかにして安全なのか、なぜ拡張が容易で、どうやってユーザーに持続的に使わせたいというインセンティブを持たせるか(ここであのウロボロスが出てくるわけです)

3.非中央集権型取引所、ユーザー発行資産(UIA)プラットフォーム(つまりオリジナルトークンプラットフォーム)の構築

•今後の研究となる分散型資金調達の仕組みを開発する
•同じ台帳システムで複数の資産を運用する必要性を認識する

この辺りが該当するかと思いますが、Cardano(ADA)もまた、NEMやWavesが行っているような、オリジナルトークンプラットフォームを構築しようとしています。それも独自に改良を加えた形で、です。

具体的にはどうしようとしているのか。再び長文の引用になりますが、見ていきましょう。(やはり注目ポイントは赤字にしています)

ユーザー発行資産 (UIA)

初期のビットコインでは、ユーザーが複数の通貨を同時に追跡するために、ビットコインの会計システムによって資産を発行して、管理できるようにしたプロトコルが急速に開発されました。これらのプロトコルはビットコインのネイティブなプロトコルに対応していませんでしたが、巧妙な手口により実装されました。

カラーコインや Mastercoin (現在はOmniと呼ばれています) などのビットコインがオーバーレイされた仮想通貨のシンクライアントは、信頼できるサーバーに依存するように強制されました。また、トランザクション手数料はビットコインで支払わなければなりません。これらの性質に加えて、トランザクション承認に単一のパイプラインを使用することによって、ビットコインにおける複数の資産を運用することが難しくなると言えます。

ERC20 規格を採用した イーサリアム では、より豊富な機能があります。しかし、トランザクションの手数料には未だにEtherを必要とします。さらに、イーサリアムネットワークはERC20 によって発行されたトークンのニーズに応えるためのネットワーク拡張が上手く行えていません。

根本的な問題は、リソース、インセンティブ、そして関心という3つに分けることができます。リソースという観点からすれば、まったく新しい通貨を同じ台帳に追加するということは、バンド幅、メモリープール、およびブロック空間を共有する2つの独立した UTXO(未使用トランザクションアウトプット)セットを持つことを意味します。またこれらの通貨の取引を組み込むコンセンサスノードは、その責任を負うインセンティブを必要とします。加えて、その仮想通貨を利用しているすべてのユーザーが特定のエンティティの通貨に対して関心を持っているわけではありません。

これらの問題を踏まえて、複数の資産が運用可能である台帳の主要トークンが橋渡し通貨として効果的に機能し、それによって分散型市場の形成を可能にすれば、そのメリットは計り知れません。これによって、さらに機能を向上させるような特殊な目的を持った資産を発行することができます。例えば、融資および送金業務に役立つTetherMakerDAOのような安定価値資産の発行です。

カルダノは複数の資産の相互運用を可能にするために実践的なアプローチを採用しています。最初の課題は、何千ものUIAのニーズに応えるために必要なインフラストラクチャを設計することです。これには以下のアップグレードが必要となります:

  1. 大規模なUTXOの追跡を可能とする専用の認証データ構造
  2. 膨大な量の保留中トランザクションを格納するための分散型メモリープール機能
  3. 巨大なグローバルブロックチェーンを可能とするためにブロックチェーンの パーティション分割およびにチェックポイントの配置を行う
  4. コンセンサスノードが異なるトランザクションセットに取り組むことに対するインセンティブの仕組み
  5. ユーザーに任意の通貨の追跡を可能とする閲覧機能
  6. UIAがネイティブの資産と同等のセキュリティを享受する
  7. UIAと主要トークン間の流動性を向上させるような分散型市場を形成するための支援

正しい認証データ構造を発見するための予備的な取り組みにより、IOHKとWavesのLeo Reyzinが共同開発した新しいタイプのAVL木が考案されました。さらなる研究が必要となりますが、これはカルダノに後に導入されることになる基礎的なアップグレードです。

分散型メモリープール は、スタンフォード大学の RAMCloud プロトコルを使用して実装することができます。このプロトコルをカルダノのコンセンサス層へ統合することを検討するための実験は、2017年第3四半期に開始される予定です。

残りのトピックは今後の継続的な研究によって進められます。その成果如何によりますが、2018年に公開されるBasho of CSLの時期に、我々はカルダノにUIAのためのプロトコルを実装する予定です。

ここでもやはり、ビットコインやイーサリアムの失敗を踏み台にして、それを改良するというアプローチを取っています。

では、具体的に従来のシステムは何が失敗なのでしょうか? ちょっと例を挙げて見てみましょう。

日本でオリジナルトークンが発行できるものとして有名なものに、カウンターパーティー(XCP)があります。Zaifで購入できるやつですね。

これは知ってる人は知ってるかもしれませんが、ちょうどまさに上の引用の赤字の例(ットコインの会計システムによって資産を発行して、管理できるようにしたプロトコル)というやつです。

ビットコインのシステムをそのまま借りて使っているわけですから送金上のやり取り送金手数料も何もかもビットコインにおんぶにだっこ、という状態になっています。

そして忘れてはならないことですが、ビットコインの手数料は今やクソ高いです(送金手数料が0.0005BTCでも、ビットコインの価格が200万なら1000円もするわけです)し、送金詰まりも頻繁に起こっています親コインのまずいところをそのまま引き継いでしまう、というわけです。

特に、オリジナルトークンなんて最初は大抵安い(1円以下だったりする)でしょうから、そんなものを他人に配布するために一回当たり一々1000円以上かかっていたら、オリジナルトークンによる集金自体がモデルとして成り立ちませよね。

さらにタチの悪いことに、XCPのようなオリジナルトークンがビットコインシステムに勝手にただ乗りすることで、送金処理に負荷をかけ、余計に送金詰まりを助長してしまいます。その上、そうしたただ乗りのオリジナルトークンが増えていく一方で、トランザクション承認には単一のパイプラインを使用しているため、そこに乗っかる通貨種類が増えるほど状況がカオスになっていきビットコインにおける複数の資産を運用することが難しくなります。

とこのように、ビットコインシステムを利用したオリジナルトークンの発行には、致命的な構造欠陥があるのです。

イーサリアムはその辺りやや改善されているようですが、未だイーサリアム自体がトランザクション手数料として使われていて、さらにネットワーク拡張が上手くいっていないそうです。(拡張が上手くいっていないことの詳細は今後調べられたら調べておきます)

そこで、Cardano(ADA)はどうするつもりなのでしょうか。実は、ここに偉大な先駆者がいるのです!

該当する場所を特に再引用しましょう。

これらの問題を踏まえて、複数の資産が運用可能である台帳の主要トークンが橋渡し通貨として効果的に機能し、それによって分散型市場の形成を可能にすれば、そのメリットは計り知れません。これによって、さらに機能を向上させるような特殊な目的を持った資産を発行することができます。例えば、融資および送金業務に役立つTetherMakerDAOのような安定価値資産の発行です。

(中略)

正しい認証データ構造を発見するための予備的な取り組みにより、IOHKとWavesのLeo Reyzinが共同開発した新しいタイプのAVL木が考案されました。

Waves!!!

 

同じく海外では人気仮想通貨の一つであるWavesとIOHK(CardanoからADAの開発を請け負っている会社)は、ちゃっかり共同開発なんかしていたわけです。こんなことがホワイトペーパーに何でもないことのようにさらっと書いてあるんですよ。これ、超重要ですよ。

つまり、Cardano(ADA)がモデルケースとして参考にしているのは、Wavesのような独自の非中央集権型取引所を備えたオリジナルトークンプラットフォームということです。

Waves使ったことない方も多いでしょうから軽く説明しますと、ウォレットの中だけで仮想通貨の売買や、オリジナルトークンの発行から売買までができてしまうんです。それもWavesを橋渡しとした格安の手数料で。(下のワルコインさんの記事が参考になるでしょう)

Wavesウォレットとは?読めば大体わかる基本情報と今後のまとめ

Wavesを橋渡しとした手数料というのは、いわゆるビットコインやイーサリアムのトランザクション手数料とは性質が違います。前者だと管理者のいない非中央集権型取引所の内部でデータのやり取りをするだけで取引が完結してしまうため、余計な費用がかからないのです。

また、オリジナルトークンの発行にはUSDなどを担保として、価値の裏付けを持たせて発行することもできます。

Wavesの非中央集権型取引所というのはとても素晴らしい仕組みで、カウンターパーティー(XCP)なんてこのシステムの利便性に比べたらっきり言ってゴミです。

Waves自体も今後が期待できる通貨だなと私は思っています。そんなWavesの素晴らしい仕組みを、Cardano(ADA)は今後パクろうとしているけですね(笑)

4.実社会における法的通貨と同等の役割・価値を実現すること

•従来のシステムのニーズに応えるために、オプションとしてメタデータを含むことができるようにトランザクションの抽象化を行う
•商業の社会的側面を探求する
•ビットコインから継承した基本原則を損なうことなく、規制機関が商取引と対話するための健全な妥協点を見つける

そして、Cardano(ADA)の最後にして最大の野望が、こちらです。

ビットコインでは決して成し得ないでしょう。実社会での多様な商取引や、法的規制をも想定した設計を行い、本物の法定通貨と同等の役割を果たせる存在となることを画策しています。従来システムのニーズだとか、商業のだとか、規制機関がとか言ってるのはつまりそういうことです。とんでもねえな。

また引用しましょう。

最後に、お金とは最終的には社会現象なのです。ビットコインとその同業者は、中枢アクターの匿名化および銀行離れを試みたことによって、その安定したアイデンティティとメタデータを放棄し、商業的なトランザクションとしての評判を失ってしまいました。中枢アクターが講じた解決策によってそのようなデータが追加されるということは、ブロックチェーンの本質である、監視能力、グローバルな可用性、そして普遍性を失ったことになります。

SWIFT、FIX、およびのACHのような従来の金融システムは、トランザクションメタデータが豊富です。規制を行うには、アカウント間の取引だけではなく、関与するアクターの属性、コンプライアンス情報、疑わしいアクティビティの報告、およびその他の記録とアクションが要求されます。場合によっては、メタデータがトランザクション自体よりも重要となるのです。

したがって、メタデータの操作は、通貨の偽造やトランザクション履歴の書き換えと同様に有害であると結論づけることができます。またメタデータを自発的に取り入れているアクターを配慮しないことは、その行為の主流化およびに消費者保護に対して逆効果であるようにみえます。

メタデータメタデータ連呼して何のことかわからんwwって感じですけど、メタデータって言葉を個人情報と置き換えて読むと、まさに今のビットコイン送金における大きな問題を如実に表していると言えます。

 

どういうことなのか説明しましょう。

従来の仮想通貨取引における数少ない情報は、送金元と送金先のアドレス、そしてトランザクションIDです。ここに、送金元と送金先の個人情報であったり、位置情報などは入ってこないわけです。(この追加情報をメタデータと言ってるんですね)仮に取引所で個人情報認証していたとしても、です。

するとどうなるかと言いますと、仮に送金先のアドレスをうっかり間違えたりしてしまうと、もう手遅れなわけですね。送金ミスで大事な仮想通貨を失った経験のある方もいらっしゃることでしょう。

一方で、既存の金融機関ではこのようなことはありません。送金したら送金IDで管理はされているでしょうけど、そこには必ず個人情報が紐付けられていますので、誤った送金などは、個人情報の確認を取って取り消すことができますね。逆に言えば、個人情報さえあれば、送金IDなんてなくても問題ないわけです。(これがメタデータがトランザクション自体よりも重要となるということです)

私たちの中にも、別に仮想通貨取引が毎回匿名である必要はないから、しっかり個人情報入れてもいいから、誤って送った金は取り戻せるようにしたい、という気持ちを持っている人はきっと少なくありませんよね? でも今のビットコインだと、そういった柔軟な対応ができない仕様になっています。いくら個人情報を開示しても、それがまったく利益にならず、消費者保護に対して逆効果になってしまうわけです。

そこでCardano(ADA)は、イーサリアムに装備されているスマートコントラクトに改良を加えて、各取引に対して個人情報を付加したり、商業における取引条件など、もっと複雑な情報を自由に付加できるようにしようとしています。

また、あまり匿名性が高いと、国や場合によっては違法とされてしまうかもしれません。匿名性の程度もスマートコントラクトで自在にコントロールすることで、各国の法規制をもクリアできると彼らは考えています。

つまり、従来の金融システムにおける取引と同じように個人情報等を載せることができて、複雑な商取引にも使えて、法的規制にも対応する。実社会における法的通貨と同等の機能が実現されるわけです。

Cardano(ADA)の野望~彼らは果たして何を成すつもりなのか、まとめ~

以上、Cardano(ADA)の主な4つの野望をまとめると、次のようになります。

1.計算処理をバックグラウンドに隠して、台帳のみがユーザーに見えるような、ユーザーフレンドリーな仕組みを実装すること

2.安全性が高く、拡張が容易に可能で、なおかつユーザーが持続的に使いたいと思えるようなプラットフォームにすること

3.非中央集権型取引所、ユーザー発行資産(UIA)プラットフォーム(つまりオリジナルトークンプラットフォーム)の構築

4.実社会における法的通貨と同等の役割・価値を実現すること

 

特に4.が、現状からするとかなり遠大な目標であるということが何となくおわかり頂けるかと思います。実社会でごく一部の店や取引ではなく、完全な法的通貨と同等のものとして通用するためには、安全性やユーザビリティなど、まだまだ乗り越えるべきハードルがあるでしょう。そこが1.~3.の内容に当たり、1.~3.が十全に完結して、その上で初めて4.がやって来るだろうと思います。

そうしてこれらがすべて実現したとき、Cardano(ADA)は旧来の仮想通貨を圧倒するスペックと、絶大な信頼性を誇っているでしょう。

そしてまた、ビットコインやイーサリアムが持つ問題点もいくつか浮き彫りになったかと思います。例えば、計算処理が見えてしまう上に、抽象性や匿名性が高過ぎるため、実社会の要請(個人情報を加えたい、複雑な条件を付けたい、法的規制に対応したい)にそぐわない恐れが高いのです。Cardano(ADA)はその辺りの問題を認識・解決し、先へ進もうとしています。

仮想通貨が法的通貨と同等に、当たり前に使われる社会を目指しています。その当たり前に使われる第一の通貨を、ADAにしようとしています。

 

いかに馬鹿馬鹿しいほどに壮大な目標か、少しは見えてきたでしょうか。

最後に、ホワイトペーパーの最終段を引用して今回は終わりたいと思います。次回はもっと技術的なところについて解説するつもりです。

なぜこのようなことを行うのか

カルダノは、仮想通貨業界内外の何百人もの有識者からのフィードバックを取り入れた長期プロジェクトです。そこでは、たゆまぬ取り組み、査読の積極的な使用、さらには偉大なアイデアの借用さえもが行われています。

残りのセクションでは、プロジェクトの中核的な要素であると我々が判断した特定の側面についてそれぞれ取り上げます。これにはカルダノの進化特有のものもあれば、仮想通貨業界の全体的なベストプラクティスの向上を期待して選ばれたものもあります。

あらゆる目標を取り上げ、すべてのユーザーを満足させるプロジェクトは存在しませんが、我々の目的は自己進化型財務スタックがどうあるべきであるかについてのビジョンを、それが欠如している管轄に提供することです。仮想通貨の本質は、従来の金融システムを混乱させることではありません。従来の金融システムでは、常に変化を吸収し、その形態と機能を維持することができます。

むしろ仮想通貨の設計者は、既存の銀行システムが高すぎて導入できず、1日の生活費が数ドルであり、安定したアイデンティティを持たず信用を得ることが不可能であるような地域に目を向けるべきです。

これらの地域において、支払いシステム、財産権、身分証明書、信用リスク、およびリスク保護を携帯電話で実行される単一のアプリケーションにまとめ上げることは、単に有用なだけではありません。それは人生を変えるほどのものです。我々がカルダノを構築する理由は、発展途上国のためのこのビジョンを提供する、少なくとも進展することに対して確実な見込みがあると判断したからです。

たとえ我々が失敗したとしても、既存の仮想通貨の設計、進化、資金提供の方法を変えることができれば、大きな成果を得たことになります。

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